外傷の応急手当で常識のRICE処置。
R(安静:rest)、I(冷却:ice)、C(圧迫:compression)、
E(挙上:elevation)の略です。
これを真面目にするとかなり危険です。
R 安静とI 冷却はいいのですが、
後半のC圧迫とE挙上がヤバイです。
足首ねんざを例にすると
捻挫した段階で相当数の毛細血管が破壊されます。その直後から止血が始まります。そうすると、患部は極度の血流不足に陥ります。
そこで外部から圧迫すると、ただでさえ血流不足をさらに追い込むことになります。
その結果、深刻な循環障害が発生します。
これがホントにヤバイんです。
傷付いていない組織もそれによりかなりのダメージがあり、災害エリアがドンドン拡大して行きます。特に神経がダメージを喰らうと取り返しのない後遺症を作ることがあります。(RSDやCRPSなど)
そしてEの挙上、これも恐ろしいですね。
心臓より高くして寝ると、血流は重力に逆らうので更に循環障害が深刻になります。
よーく考えるとわかるんですが、教科書やネット情報に頼るとこんな恐ろしい事を平気でしてしまいます。
ウチでも、このCとE(圧迫と挙上)で相当にダメージを受けてくる患者さんが後を絶ちません。
なんとかここで救おうと必死で治療してます。
プロの先生方はこれを読んで今一度RICE処置について考えてみてください。