コロナ騒動のおかげでウチは相当なダメージです。
何せスポーツができないので当然誰も怪我しません。
そのかわりに目立つのが慢性痛の患者さんです。
どこかで「あそこで一発で治してもらったよ。」などとおよそ都市伝説的な話を聞いてこられたのでしょう。
慢性痛の患者さんは既に多くの病院、接骨院、整体、針治療など色々行って、
そして殆んどに失望しています。
ウチにも大体半信半疑で来院されます。
先日、まさにこの患者さんが来られました。
先ずは問診。とにかく一から聞きたいので多くの時間を割きました。
10年前からの後頭部の首の付根の痛みに悩まされていて、あらゆる治療を受けていて現在もほぼ毎日の鍼治療とウチと同じFDMを使う接骨院に月に数回行かれているそうです。ウチの事はその絡みでインターネットで見つけたそうです。
多分、そこと同じように首の筋肉を、ゴリゴリ擦って貰うのを期待していたのでしょう。
でも、敢えて期待を裏切ることにしました。
それは、原因が筋膜にないからです。
問診の中で、その方は「性格からきてるかもしれないです。」と言いました。
そうです、この方は既に原因について知っているのです。
でも、性格という自分の本質に原因があることを認められないために、治療というものに依存していただけなのです。
このような人に治療しても一時的に緩和しますが、直ぐに戻ります。
そして地獄のような繰り返しが続きます。
悪徳な治療院経営者はそういう人をカモにして稼ぎますが、不毛な行為で誰も得をしません。
一応、首の可動域を治す程度の治療しました。
多分この程度であれば何処でもしていると思います。
そこでこの方に大事なアドバイスをしました。
「一切の治療を中止してください(ウチも含めて)。また、自分でも首を触らないでください。この代わり今少し関心があるジョギングをやって下さい。それも徹底的にこだわって。そうすれば治りますよ。」
気にするなといってもそれは無理です。そうときに良いのがスポーツです。痛みから目を逸らす対象として最適です。
最後にランニングの指導をして治療を終わりました。
帰るときに「何かスッキリしました。ありがとうございました。」と言って帰りました。
痛みが性格やメンタルでくることよく知られていますが、それはどうしても人間の本質的なことで触れるのが怖いのです。
だから、原因を他に捏造する事で誤魔化してしまうのです。
治療する立場としてもこのような事を話すのには相当の勇気が要ります。多分、何割かの人は気分を害するでしょうし、もう来院してくれないと思います。経営的にもマイナスになります。
しかし誰かが本当のことを言ってあげないとこの無限地獄は続きます。
私もこのような話を患者さんにできるようになったのは最近の事です。
本当に人の為になる仕事をしていこうと思います。